抄録
【目的】低糖質高たんぱく質(low carbohydrate-high protein; LC-HP)食の非肥満者への影響は,動脈硬化性疾患につながる生体内酸化ストレスの関与を含め不明な点が多い。よって本実験ではLC-HP食の短期(2w)および長期的摂取(13w)の影響について非肥満マウスを用いて検討した。
【方法】6週齢のC57BL/6J雄マウスを 2wおよび 13w飼育し検討を行った。飼料はLC-HP食(PFCエネルギー比率;40,16,44),または,普通食(PFCエネルギー比率;20,16,64)を摂取させた。
【結果】LC-HP食群は普通食群に比し,体重増加率,副睾丸周囲脂肪組織重量および脂肪細胞面積が有意に低値,腎臓重量は有意に高値を示した。肝臓中スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性は,LC-HP食群で普通食群に比し有意に低値を示した。血清中アディポサイトカイン,インスリン,酸化生成物の指標とした肝臓中チオバルビツール酸反応性物質および酸化LDLの指標とした血清中レクチン様酸化LDL受容体結合アポリポたんぱく質Bでは,LC-HP食の影響を認めなかった。
【結論】非肥満下でのLC-HP食は,体重増加および副睾丸周囲脂肪細胞の肥大化を抑制した。一方でLC-HP食は,肝臓SOD活性の低下による酸化ストレス増大を介し,動脈硬化性疾患発症に影響することが示唆された。