【目的】第1に夜間定時制課程に通う高校生の食生活の実態を把握すること,第2に栄養教育を実施しそのプロセス評価を行なうことを目的とした。
【方法】埼玉県立高等学校1校の夜間定時制課程に在籍する生徒179名を食生活の実態を把握する対象とし,この中で学校給食受給者133名を栄養教育の対象とした。2014年9月に無記名自記式質問紙調査を実施した。その後栄養教育対象者に,学校給食の時間を活用して週に1度,10回の栄養教育を実践した。質問項目は,主観的健康感,食関連QOL,食物摂取状況,行動変容段階,準備要因,食情報交換,食環境,食事回数,食事状況とした。介入後にはプロセス評価に関する項目を追加して再度質問紙調査を実施した。有効回答数はそれぞれ76名,44名であった。
【結果】主観的健康感については「健康・まあまあ健康」の者が全体の79.7%であったが,一日の食事回数が3回未満の者は24.0%であった。また給食を除くと,どの時間帯も一人で食事をする割合が最も多かった。プロセス評価の結果,テーマは81.4%が「身近に感じられた」,給食の時間に栄養教育を行ったことは72.1%が「良かった」と回答した。
【結論】夜間定時制課程に通う高校生の食生活の実態を把握することができ,また栄養教育の必要性が示された。栄養教育のテーマや内容,実施時間には一定の評価が得られた。今後は,より適した栄養教育プログラムの構築が必要である。