栄養学雑誌
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中学2年生における低いQOLと食・生活習慣との関係
木林 悦子
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2019 年 77 巻 1 号 p. 29-38

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抄録

【目的】中学2年生の低いQOL(Quality of life)と食・生活習慣との関係を明らかにすること。

【方法】兵庫県A市の公立中学校(2校)に在籍する2年生325名を対象に断面調査をした。QOLの測定には,中学生用のQOL尺度(Kiddo-KINDLR)を用いた。食・生活習慣は,12項目の質問紙及び半定量食物摂取頻度調査票を用いた。対象者全員のQOL総得点の中央値で低QOL群と高QOL群の2群に分け,両群の食・生活習慣を男女別に比較した。また,QOLを目的変数,食・生活習慣を説明変数,性別を調整変数として,ロジスティック回帰分析を行った。

【結果】低QOL群は高QOL群に比べ,男女ともに食・生活習慣12項目の合計数と,男子の食事摂取状況の評価点が低かった。また,低QOL群において,食・生活習慣の項目ごとの行動を毎日行っている者が「はい」に対し,「いいえ」と答えた者のオッズ比は,「朝,気持ちよく起きられる」,「朝,7時までに起きる」,「朝食を毎日食べる」,「夕食を家族で食べる」,「食事は1日3食 食べる」,「食事の時間を楽しく過ごしている」,「夜,12時までに寝る」において高かった。

【結論】中学2年生において,寝起きが悪い,7時以降の起床,朝食欠食,夕食の孤食・欠食,食事が楽しくない,夜12時以降の就寝の他に,男子については食事摂取状況の低評価が低いQOLと関係することが示唆された。

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