栄養学雑誌
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現役管理栄養士が考える卒前・卒後に必要な教育内容
飯田 綾香中西 朋子小切間 美保林 芙美北島 幸枝大久保 公美鈴木 志保子
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2019 年 77 巻 Supplement 号 p. S78-S88

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抄録

【目的】現役管理栄養士からみた管理栄養士の卒前・卒後に必要な教育内容を明らかにするとともに,管理栄養士資格取得時期による違いについても検討することを目的とした。

【方法】2017年8月,管理栄養士・栄養士の職能団体である公益社団法人日本栄養士会の各職域の代表者を通して適任者を募り,卒前・卒後教育について無記名自記式質問紙法調査を実施した。202名を解析対象者とし,自由回答は質的に分析を行った。

【結果】卒前教育で役立っている内容は「調理学(27.2%)」,学んでおく必要があった,不足していた内容は「学術論文・学会発表(23.3%)」,管理栄養士・栄養士の資質・能力の向上を阻んでいた事項は「座学中心であり,グループワークの欠如(13.4%)」と回答した者が多かった。卒後学びなおしている教育内容は「臨床栄養(21.7%)」が多かった。管理栄養士資格取得時期の比較では,2000年の栄養士法改正に伴う2006年以降の資格取得者は,それ以前の取得者よりも,役立っている教育内容は「多職種連携」および「応用栄養学」と回答した者が多かった(各々p<0.001,p=0.005)。

【結論】現役管理栄養士は,卒前教育で学術論文・学会発表が不足していた,グループワークが欠如していたと考える者が多かった。2006年以降の資格取得者は,卒前教育で役立っている内容は多職種連携および応用栄養学と考える者が多かった。

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© 2019 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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