栄養学雑誌
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総説
日本人はどこまで食塩を減らせるか?
土橋 卓也
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 78 巻 2 号 p. 49-56

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抄録

食塩の過剰摂取は,高血圧の発症,重症化はもとより脳卒中,心臓病,腎臓病など心血管合併症発症の要因となり,健康寿命延伸の阻害要因となることは明らかである。日本高血圧学会が2019年5月に改訂した高血圧治療ガイドライン(JSH2019)は,従来「正常高値」としていた血圧区分 130~139/80~89 mmHgを「高値血圧」として管理対象としたこと,降圧目標をより低値としたことより,非薬物療法,特に 6 g/日未満を目標とした減塩の重要性を強調している。また厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも,一般人の食塩摂取の目標量を男性 7.5 g未満/日,女性 6.5 g未満/日と引き下げ,国民レベルでの減塩の推進を提唱している。さらに,2018年,「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(脳卒中・循環器病対策基本法)が成立したことから,循環器病の一次・二次予防を目的とした減塩の推進はきわめて重要な課題となった。日本高血圧学会では,国民レベルでの減塩を目指して様々なアプローチでの取り組みを行っている。依然として食塩摂取量が多いわが国において,どこまで減塩が可能となるか,今後の取り組みの成果が問われている。

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© 2020 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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