栄養学雑誌
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セルロースアセテート膜電気泳動法を用いた大豆油(長鎖脂肪酸油)と中鎖脂肪酸油の吸収,輸送経路に関する実習条件の検討
吉村 亮二野村 秀一
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2022 年 80 巻 3 号 p. 194-200

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抄録

【目的】脂質栄養において脂質の吸収,輸送過程とリポたんぱく質の機能を理解,学修することは,食事療法の計画,治療食品の選択,さらに脂質異常症や動脈硬化の病態理解などのために極めて重要である。そこで本研究では,長鎖脂肪酸を多く含有する大豆油と中鎖脂肪酸を多く含有するカプリル酸-カプリン酸トリグリセライド(CCT)を用いて脂質の吸収,輸送経路とリポたんぱく質の機能について考察,学修できる学生実験の条件を明らかにすることを目的とした。

【方法】7週齢の雄性Wistarラットへ45%エネルギー脂肪含有高脂肪食を与え,摂食量,飼料組成及び大豆油の比重から大豆油摂取相当量(ml)を算出した。その摂取量を参考に 1 ml/100 g体重の割合で水道水,大豆油あるいはCCTを経口ゾンデにより摂取させ,3時間後に採血し,血漿を調製した。血漿の性状を確認し,トリグリセライド(TG)測定,セルロースアセテート膜電気泳動によるリポたんぱく質の検出を行った。

【結果】水道水,CCT群の血漿は透明であったが,大豆油群は白濁した乳び血漿であった。大豆油群は血漿中TG濃度の上昇,およびリポたんぱく質のカイロミクロンの増加が確認されたが,CCT群では観察されなかった。

【結論】本研究により,長鎖脂肪酸を多く含有する大豆油および中鎖脂肪酸を多く含有するCCTの吸収,輸送過程とリポたんぱく質の機能を目で見て学修できる実験条件が明らかとなった。

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© 2022 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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