栄養学雑誌
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研究ノート
飲食店において適量注文をする者の特徴
西田 依小里赤松 利恵頓所 希望
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2023 年 81 巻 2 号 p. 68-74

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抄録

【目的】飲食店における適量注文は,食品ロス削減と健康維持増進の両面に貢献できる。本研究では,飲食店において,適量注文をする者の特徴を調べた。

【方法】2021年9月にインターネット調査会社に登録されている20~64歳の男女1,000人を対象に調査を行った。飲食店で1人分の食事を注文する際の行動として,「事前に量を調べたり,量がわかっているお店や量を調節できる店を選ぶ」等の4項目各々の実施頻度を「まったくしない」(1点)~「よくする」(4点)の4件法でたずねた。実施頻度の合計得点を求めた後,低・中・高得点群の3群に分け,属性,健全な食生活の実践,主観的健康感,体格はχ2 検定,BMIはKruskal-Wallis検定を用いて比較した。

【結果】適量注文の分布は,低得点群317人(31.7%),中得点群322人(32.2%),高得点群361人(36.1%)であった。適量注文をする者は,女性,高学歴の者が多く(各々p=0.009,p=0.001),低収入の者が少なかった(p=0.047)。また,健全な食生活を実践しており(p < 0.001),主観的健康感が高く(p=0.014),BMIは低かった(p=0.009)。

【結論】適量注文は,健康維持と関連する可能性が示された。さらなる普及のため,男性,低学歴,低収入の者へのアプローチと,飲食店の環境整備が求められる。

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© 2023 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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