栄養学雑誌
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アミノ酸の補足と蛋白代謝に関する研究 (第1報)
肝 Xanthine Oxidase 活性に及ぼすアミノ酸補足の影響
田村 敦
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1961 年 19 巻 1 号 p. 3-13

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抄録

肝 xanthine oxidase 活性に及ぼすアミノ酸の補足の影響を検討するため, 検圧法による肝 xanthine oxidase 活性の測定法を検討し, 次いで各種アミノ酸を添加したカゼイン食, アミノ酸補足白米食及び種々レベルのメチオニン含有食白鼠の肝 xanthine oxidase 活性を測定し, 更に, 肝切片培養における xanthine oxidase 活性並びにメチオニン添加効果を検討して, 次の結果を得た。
(1) 検圧法による肝 xanthine oxidase 活性測定に齢いて, Dhungat 等の提唱した0.015Mピロ燐酸 (pH8.6) 緩衝液の使用で, endogenous respiration が顕著に抑制されたことを認め, 更に, ピロ燐酸使用により測定値の再現性を検討して, 測定値が充分信頼出来ることを認めた。
(2) カゼイン9%飼料にDL-メチオニンとDL-スレオニンをそれぞれ1%添加した場合, 肝 xanthine oxidase 活性は共に対照の2.2倍と1.5倍に増加した。しかし, L-リジンと L-フエニルアラニンをそれぞれ1%添加した群の本酵素活性は共に対照の半分に低下した。
(3) 白米にメチオニン, トリプトプアン, リジンとスレオニン補足群の生長, 肝 xanthine oxidase 活性は共に最も高かつた。しかし, メチオニンとトリプトフアン補足群は, 生長においてはリジンとスレオニン補足群にかなり劣つたが, 肝 xanthine oxidase 活性はより高い値を示した。
(4) 低メチオニン含有綜合アミノ酸粉末18%飼料にメチオニンを添加して, それぞれ0.27, 0.57及び0.87%レベルにして白鼠を飼育したところ, 肝 xanthine oxidase 活性はメチオニン0.57%群が最も高かつた。
(5) カゼイン酵素分解物400mg%含有培地で4~7日間無窒素食の白鼠肝切片を3時間培養したところ, 本酵素活性の増加は認めなかつた。しかし, この培地にメチオニン10mg及び20mg添加した場合, 本酵素活性は対照の1.5~2倍に増加した。

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