栄養学雑誌
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大学寮生の生活時間と栄養摂取量 (第1報)
信州大学工学部寮生について
古沢 康雄原田 知枝
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1961 年 19 巻 1 号 p. 65-70

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抄録

大学寮生 (工学部, 男子) について平常授業時に生活時間および摂取食物の調査を行つた結果つぎのことが認められる。
(1) 生活時間構成は平均で生理的38.8%, 文化的27.9%, 受講18.5%, 勉強9.5%, アルバイト3.2%, 寮雑務2.1%, となつている。
(2) 算出所要カロリー2576カロリー (平均) に対して摂取カロリーは2535カロリー (平均) でほぼ充足されているが, 動物性たん白質, カルシウム, ビタミンAなどには大部不足がみられ今後の改善が望まれる。
(3) 窒素1g当りの必須アミノ酸摂取量を理想たん白質の必須アミノ酸組成と比較すると, トリプトフアン含硫アミノ酸が不足し充足率はそれぞれ73, 75%となる。すなわち制限因子はトリプトプアン, たん白価は73%でわが国における他の調査成績と同傾向である。肉, 卵, 乳類の摂取をさらに心がけるべきである。

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