栄養学雑誌
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妊娠時のCa代謝に関する実験的研究 (その1)
飼料中のCa含有量の多寡の胎仔の発育におよぼす影響
大山 サカエ
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1964 年 22 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

発育途上のシロネズミを用いて, 飼料中のCa含有量の多寡が, 生れた仔ネズミにどのような影響を与えるかについて実験を行なつた結果は次のとおりである。
1) 飼料中のCa含有量は対照群200mg%, 高Ca群816mg%, 低Ca群52mg%であり, 親ネズミの分娩前2週間のCa摂取量の1日平均は体重1g当り対照群0.16mg, 高Ca群0.55mg, 低Ca群0.04mgであつた。
2) 生下時の仔ネズミの平均体重は, 対照群4.38±0.37g, 高Ca群4.42±0.34g, 低Ca群4.23±0.27gであつた。
3) 仔ネズミの灰分量は対照群70.6mg, 高Ca群73.6mg, 低Ca群は67.0mgであつた。
4) 仔ネズミのCa含有量は対照群11.4±1.03mg, 高Ca群11.8±0.96mg, 低Ca群10.6±0.47mgであつた。Ca/灰分は対照群16.17%, 高Ca群16.22%, 低Ca群15.86%であつた。Ca/体重は対照群0.26%, 高Ca群0.27%, 低Ca群0.25%であつた。
5) これらの実験成績から妊娠時におけるCa摂取量の多寡は, 仔ネズミのCa含有量にはほとんど影響はないように思われる。

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