自然的産業的条件が同一で, 生活水準に差がある2つの山村部落住民について, その栄養状態からみた副腎皮質機能を観察した。
1. 栄養摂取調査では, 動蛋白比, 脂肪の摂取量がS部落はU部落より低かった。
2. 血清Na/Kは学童では有意に, 成人では有意ではなかったが, U部落の方が高かった。
3. 尿中総17OHCS値は, いくらかU部落の方が高かった。
4. 尿中17KS値は, 成人, 学童ともにU部落が高く, 成人では有意であった。
5. 栄養摂取量と17KSとの相関係数は, 脂質, 熱量, 総蛋白, 動蛋白の順に高かった。