1967 年 25 巻 4 号 p. 142-149
1) 油の過酸化物価は再加熱により低下する。
2) 過酸化物価は低温加熱 (100℃) では変化は少ないが, 180℃に持続加熱すると, 初めの少時に急激に殆んど最低まで低下し, その後は加熱時間を延長しても殆んど変化は認められない。
3) また再加熱して過酸化物価が低下してもその油の酸価は殆んど変化がない。
4) 同じく屈折率においても変化は認められなかった。
5) 比粘度は多少上昇した。
6) これらの再加熱油の比消化率の変化とそれぞれの油の過酸化物価の低下との間に, 直接の相関は見られない。すなわち一旦分解度の低下した高過酸化物価油は, 再加熱して過酸化物価が低下しても, 分解度の上昇は認められない。
7) 高過酸化物価油の lipase 分解妨害性は過酸化物の加熱分解残基の持つ性質かも知れない。また過酸化物生成と同一条件で同時に生成した他の何ものかであるかも知れない。
8) 高過酸化物価油の lipase 分解妨害性は180℃加熱1時間で損なわれない。