昭和41年7月下旬京都市内の山間僻地において, 30才代・40才代の主婦の食餌と疲労状態の調査および血圧測定を行なった。
I) 1. 食餌摂取量は昭和41年度全国値に比べ, 熱量とビタミンB1, 30才代での蛋白質の他は下まわっている。特にビタミンA効力・カルシウムは全国値の2/3以下である。またビクミンB2・脂質が目標値に比べて下まわっている。
2. 栄養比率は全国値に比べ, 蛋白質カロリー/総カロリー・脂質カロリー/総カロリーは下まわり, 糖質カロリー/総カロリーは上まわっている。
3. 蛋白質の食品群別摂取構成では乳類が少なく, 穀類が多い。動物性蛋自質/総蛋白質 は全国値および目標値より約7%下まわっている。
4. 蛋白価は約87, ケミカルスコアは74で, 第一制限アミノ酸は含硫アミノ酸であった。またE/T比は2.56であった。
5. 地区の主婦と学童および同一世帯の母と子の食餌摂取量の傾向をみると, いずれの場合も学童は熱量では主婦よりやや上まわっているが, 蛋白質では, その量においても, 質においても主婦よりやや下まわっている。
II) 疲労状態の調査で, 農夫症症候群の有無をみると, 昭和42年労働省の行なった農家主婦対象の調査の場合よりも, 有症率がやや高い。
III) 血圧測定では全例数32のうち, 要注意者は2例, 要治療者は1例であった。