栄養学雑誌
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台湾における食生活 (第2報)
中学生の体格および食事
羅李 澄美武藤 静子
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1972 年 30 巻 6 号 p. 252-263

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抄録

台湾の北部, 中部, 南部の中学生1,534名 (男509, 女1,025) を対象に実施した体格調査および24時間食事記録調査から次のような結果が得られた。
1. 対象生徒の身長は男女平均それぞれ158.4および154.1cm, 体重はそれぞれ44.9および43.0kgで, 身長, 体重共に男児では中部, 女児では南部に大きかった。
2. 食事に用いられた穀類の中では米飯の喫食率が80% (朝, 昼, 夕それぞれを60, 91, 88%) を占めるが, その他低頻度ながら20種余に及ぶ多様な穀類製品が見出された。
3. 野菜, 海藻, 茸, 果実などを伴わない食事は朝食および昼食に20~30%, 夕食には10%以下。献立に現われた種類は64種類に上り, 1人1日平均3.50種 (1日に同一種を2回以上食べることもある) をとる計算になる。出現頻度の高い順は淡色野菜, 果実, 緑色野菜類, 根菜類, 瓜類, その他であった。
4. 蛋白性食品の中では豚の利用が多く, 肉のほか, 肝臓, 骨付, 腸, 血, 足, 皮, 舌, 胃, 脳, 心臓, 肺, 火腿などがみられ, 1日平均1回の割で摂取されていた。臓物類の利用は北部に圧倒的である。その他の獣肉および臓物の頻度は豚にくらべると著しくひくかった。
5. 獣鳥肉類合計の出現頻度は蛋白性食品中最高, 魚介類が第2, 卵が第3位, 乳は最低位であった。動物性食品の利用は1人1日平均3.4回となる。
6. 豆類では大豆製品の種類も使用頻度も多く2日に1回の割で用いられ, 他の豆類を合わせると1日平均0.75回の出現頻度となる。
7. 献立としては穀・芋類, 蛋白性食品, および野菜果実類3者の組合せが68%を占め, 欠食は朝と昼にわずか (0.5%程度) にみられたのみであった。
8. 間食をとらなかったものは対象の過半数を占め, 殊に北部に多く, 南部に少なかった。間食の種類は果実および果実汁が最高, 穀類, 牛乳がこれにつぎ, 菓子類の頻度はひくかった。

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