栄養学雑誌
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日本人必須アミノ酸摂取量について (第8報)
最近の国民栄養調査成績より算出したアミノ酸摂取量および摂取蛋白質の化学価
松野 信郎
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1973 年 31 巻 3 号 p. 122-127

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抄録

昭和39年~46年度国民栄養調査成績 (全国) より, 日本人のアミノ酸摂取量 (必須および非必須アミノ酸) と摂取蛋白質の化学価を算出した。
1. アミノ酸摂取量は調査年次により多少変動がみられたが, N1g当りのアミノ酸パターンでは年次変動は僅かであった。
2. 全アミノ酸のうち最も量の多いものはグルタミン酸で全体の約2割を占めていた。ついで, アスパラギン酸, 芳香族アミノ酸, ロイシンの順となり, 最少量はトリプトファンで全体の1.3%であった。なお必須アミノ酸は全体の43%で非必須アミノ酸は57%であった。
3. 非必須アミノ酸の食品群別摂取量では, いずれのアミノ酸も穀類・動物性食品からが多く75~85%を占め, 豆類から10~15%, その他の食品から5~10%であった。
4. 摂取蛋白質の化学価は年次変化は僅かで, FAO蛋白価は83~87, A/E比卵価70~74, 人乳価86~89, A/T比卵価56~62, 人乳価86~89, EAA-index 卵指数81~83, 人乳指数87~89であった。

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