1973 年 31 巻 6 号 p. 241-247
40日令のシロネズミを, 飼料中の脂質源をサフラワ油と牛脂の二種, これにビタミンEを添加したものとしないもの, 運動の有無により8群に分け, 対照に無脂肪食安静群を設けて2ケ月間飼育した。脂質, ビタミンE, 運動の脂質代謝に及ぼす相互的な影響, および尿中17-ケトステロイド値に及ぼす影響を調べた。
1. 血清及び各臓器中の総コレステロール量に対しては, 飼料中の脂質の影響が大きかった。ビタミンEの影響は血清では見られ, ビタミンE無添加サフラワ油群の減少が著しかった。運動による影響はわずかであった。
2. 各臓器中の脂肪酸組成に及ぼす影響は, 飼料中の脂質の有無や種類のちがいにより著しく, ビタミンE添加や運動負荷による影響はわずかであった。
3. 17-ケトステロイドの尿中排泄量は, 脂質の差による影響は見られたが, ビタミンE及び運動による一定の傾向は認められなかった。