栄養学雑誌
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ニラのビタミン含有量並びに品質に及ぼす影響
野菜のビタミン含有量に及ぼすビニール被覆の影響に関する研究 (第1報)
斎藤 進高間 総子真山 とも子
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1976 年 34 巻 3 号 p. 103-107

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抄録

ビニール被覆がニラ葉のビタミン類に及ぼす影響をみるため, 光以外の条件を変えないよう水耕栽培し, その採取した試料について, V. B1, B2, Cおよび総カロチンを定量したのでその結果を要約すると次のようである。
(1) 一般農業用ビニールで被覆した, ニラ葉のV. B1, V. B2量は被覆しない対照区に比べ若干少なかった。
(2) V. C定量の結果では, 還元型V. C量は明らかにビニール被覆の影響がみられ, ビニールの厚さによる差異も認められた。しかし酸化型V. C含有量には大差がみられないところから, 光線がビニールにより減少するため, 従来の報告通り還元型V. Cの生成に影響したものと思われた。
(3) 総カロチン定量の結果では, 最もビニールの厚い区において含有量は最少を示し, これに比べ, 無被覆区のニラの含有量はかなり多く, V. C同様ビニール被覆により影響されることを認めた。
(4) また形状, 色沢等の物理的品質要素および, パネルによる香味等の官能的品質要素は, ビニール被覆の厚い区では, 対照区と比べかなり劣った結果であり, 品質についてもビニール被覆の影響が認められた。
すなわち本実験よりニラ葉をビニールで被覆することによって, V. B1, V. B2, V. C, 総カロチン量および品質は対照区の無被覆のものに比べ減少低下していて, ビニール被覆の影響がみられた。

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