栄養学雑誌
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減塩食調理の食味について
第1報
口羽 章子玉川 和子松下 ツイ子
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1977 年 35 巻 6 号 p. 283-289

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抄録

減塩調理と食味の関係を, 今回は健康人を対象に数種の試料料理を用いて塩味調味料のみを添加した場合について官能検査法により検討を行ない次のような結果を得た。
1. 減塩調味の食塩濃度は食味上下限があり, その減塩最低限界濃度は, われわれの今回の検討ではすまし汁, うすくず汁, 鶏だんご焼き物, マッシュポテト0.5%, ほうれん草浸し0.8%, あじ焼き物1.0%食塩となり, これは普通味の約1/2に当り, 普通味の食塩濃度とほぼ比例関係が認められた。
2. あじの焼き物は, 加熱前の塩ふり操作を省くため, 低食塩濃度では食べにくいことが認められた。
3. 各料理の試料間の濃度差は鶏だんご焼き物, うすくず汁において濃度の比較的高い0.8, 1.0%間で有意差が認められなかった。減塩食の場合は特に食味に感じる食塩濃度幅の考慮が必要である。
4. 塩味調味料として塩, しょうゆ, 白みそ, 赤みそを添加したところ, しょうゆが有意に好まれた。
5. しょうゆを添加して調理方法を変えた場合各試料とも揚げ物が食味上有意に好まれ, 煮物は有意に好まれなかった。

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