栄養学雑誌
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こんにゃくのイメージ・嗜好・消費状況に関する研究
第1報 こんにゃくのイメージ
岸田 典子
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1980 年 38 巻 1 号 p. 17-25

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抄録

こんにゃくに対するイメージを10尺度, 5段階評価によるS. D法で, 連想を自由連想法で, 世代及び居住地域の異なる女性を対象として調査し, つぎのような結果が得られた。
1) こんにゃくは, 日本的・質素・家庭的・エネルギーがない・身体によい・嗜好的な食品であるというイメージがもたれていた。つまり, こんにゃくは, 日本的であるという社会的価値観が非常に強く, いわゆる伝統的な食品であるというイメージがもたれ, また家庭的であるというように, 親近感の強い食品であった。
2) こんにゃくに対するイメージは, 世代などの生理的要因の影響が大きく, どの尺度においても, 世代間で有意差がみられた。概して, 高齢者ほど日本的・家庭的・身体によい食品であるというイメージをもっていた。
3) 環境要因としての居住地域の違いは, こんにゃくに対するイメージに大きな影響を及ぼさなかった。
4) こんにゃくに対する連想として, 世代・地区・地域の相違に関係なく, 第1位は調理・献立上の用途, 第2位は栄養・保健・衛生に関するものであったが, 中学・高校生のみ, 第2位は食品の属性・分類・部位に関するものであった。

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