1980 年 38 巻 1 号 p. 71-77
1) 市販飲料, 冷菓等からの糖類摂取算出の基礎資料とするため, これらの食品80種の糖含有量をぶどう糖, 果糖, しょ糖に分けて定量した。
2) ぶどう糖, 果糖, しょ糖など糖類の合計量をもって「糖量」あるいは「砂糖分」とする方式にかえて,「砂糖相当量」という表現を用いた。砂糖相当量はしょ糖+果糖量×1.9の値で示される。
3) 炭酸飲料, 果汁・果肉飲料, 乳酸 (菌) 飲料など酸性の飲料においては, 製造時に添加されたしょ糖の軟化によると思われるぶどう糖, 果糖としょ糖の混在が観察された。さらに0.0135Nりん酸溶液(25℃)中ではしょ糖の転化がかなり進行することが実験的に観察された。
4) シャーベット類, ラクトアイスなどでは, ぶどう糖, 果糖, しょ糖量から推測して, 甘味物質としてしょ糖のほかに異性化糖 (液糖) が使用されているものがあると思われた。