栄養学雑誌
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高圧蒸気滅菌または放射線滅菌による無菌ラット・マウス用飼料中フィチン酸の分解
吉田 勉篠田 粧子渡来 智
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1980 年 38 巻 4 号 p. 215-220

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抄録

無菌マウス・ラットの飼育に用いられる実用飼料L-485-Cr (主成分はとうもろこしと脱脂大豆) につき, 高圧蒸気滅菌ないしは放射線滅菌を行った際のフィチン酸含量の変化を調べた。放射線滅菌に関しては, 生大豆や脱脂大豆についても実験を行った。
乾物中フィチン酸含量は, L-485-Crが1%, 生大豆が1%, 脱脂大豆が1.6%で, 全P中に占めるフィチン酸態Pは, それぞれ, 43%, 52%, 62%であった。
高圧蒸気滅菌後におけるL-485-Cr中のフィチン酸態Pの分解は, 121℃で30分という無菌動物用飼料の滅菌条件では平均7%であった。なお, 1ロットの実験であるが, 同上飼料を121℃で30分及び2時間滅菌した際のフィチン酸態Pの分解は, 9%及び17%であった。
また, 5Mrad放射線滅菌後におけるL-485-Cr中のフィチン酸態Pの分解は8%であった。
すなわち, 無菌動物用飼料に対する実用的滅菌条件下では, 飼料L-485-Cr中フィチン酸の分解はわずかであると思われる。
一方, 生大豆で5及び10Mradのγ-線照射, また脱脂大豆で5Madのγ-線照射後のフィチン酸態Pの分解は, 約17%であった。

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