栄養学雑誌
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女子大生の食物摂取量の年間変動に関する研究
森 成子斎藤 憲若狭 裕美子
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1981 年 39 巻 6 号 p. 243-257

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抄録

昭和53年10月より1年間, 毎月第3週の平日連続3日間, 18~19歳女子39名を対象に摂取栄養素量, 食品群別摂取量を調査し, 次の結果を得た。
1) 栄養所要量との比較では, ほとんどの栄養素が85~90%の充足率を示したが, ビタミンAは低く, 77.6%であった。
2) 栄養素等摂取量の月間比較ては, ほとんどの栄養素が2月と9月に多く, ビタミンCは1月に多い摂取を示した。
3) 季節間の比較で有意差のなかった栄養素は, エネルギーと炭水化物のみで, その他の栄養素には有意差がみとめられた。
4) 8月の栄養素等摂取量を基準にして変動幅をみると, 変動の大きい栄養素にはビタミンA, ビタミンC, 鉄脂肪があげられ, その他の栄養素は10~15%の変動状況であった。
5) 食品群で摂取量の不足しているものとしては, 果実類 (61.2%), 緑黄色野菜類 (62.5%) があげられる。
6) 摂取量で月間に統計学的有意差がなかった食品群は菓子類, 油脂類, 嗜好飲料類であった。その他の食品群には有意差がみとめられた。
7) 季節間の比較で有意差がなかった食品群は菓子類, 油脂類, 藻類, 魚介類, 獣鳥肉類, 卵類, 嗜好飲料類であった。その他の食品群には有意差がみとめられた。
8) 8月の摂取量を基準にして変動幅をみると, 大きい食品群には, いも類, さとう類, 果実類, 淡色野菜類, 乳類があげられる。小さい食品群は穀類, 菓子類, 油脂類, 緑黄色野菜類, 魚介類, 獣鳥肉類, 卵類であった。

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