栄養学雑誌
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主成分分析による日常食料理の分類
日常食献立にみられる料理のパターン化について (第1報)
村山 篤子三輪 里子佐藤 文代三田村 雅子
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1982 年 40 巻 2 号 p. 103-113

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抄録

日常食の食事内容を把握するための一方法として, 日常食料理234品目について, 総所要時間, 手間時間, 調理操作数, 器具数の実測および市価による調理材料の価格の概算を求め, これらを用いて主成分分析を行い, 料理のパターン化を行った。次の結果を得た。
1) 各項目間の相関行列を求め, 主成分の因子負荷量を算出した。第1主成分は固有値3.207, 寄与率64.1%, 第2主成分は固有値1.024, 寄与率20.5%で, 累積寄与率は84.6%であった。
2) 第1因子得点をF1軸, 第2因子得点をF2軸にとり, 234品目料理を2次元空間にプロットした。第1主成分は手間時間, 調理操作数に関与する因子, 第2主成分は経済特性に関与するものと考えられる。
3) 日常食料理の約90%は, F1=±0.5, F2=±0.25の範囲内に位置している。F1=-0.3付近にF2軸に平行に調理済食品 (惣菜), 同様にF1=-0.25~0の範囲にレトルト, 冷凍食品, 半調理食品使用の何らかの加熱を要する料理が並んでいる。また, F1が正の領域には手作り料理が分類される。すなわち, F1, F2とも正の領域に手作り家庭料理の中で主菜となる動物性食品を主材料とした料理, F1が正, F2が負の領域には, サラダ, ほうれん草の浸しなどの簡単な野菜料理が分類されている。
4) 以上日常食料理234品目は, 1~10群の特徴ある料理群に類別され, パターンを得た。

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