栄養学雑誌
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腎臓病食の調理に伴うナトリウムおよびカリウム量の変動
萩原 清和津田 明子渡辺 智子神田 紀子高畑 京二高居 百合子岩尾 裕之
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1983 年 41 巻 5 号 p. 313-318

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抄録

本実験においては, 医師による食塩指示量3~5gに基づいて献立され, 調理された腎臓病食を用いた。この腎臓病食の調理前の食材料と調理後の食事中の食塩およびカリウム (K) 量について検討した。さらに, 食塩およびK量の簡易迅速な測定方法について検討した。その結果を, 次に示す。
1) 6日間の献立から算出した食塩量および調理前の食材料中の実測食塩量の1日の平均値は指示量を越えていたが, 調理後の食事中の食塩量の平均値は指示量の範囲内にあった。
2) 食塩およびKの調理による損失は平均で前者が18.5%, 後者が12.7%であった。
3)食塩の乾式灰化法値に対する1%塩酸抽出法値の割合は, 調理前および調理後の試料でそれそれ104.5±±6.8%, 101.0±6.0%であり, 良好な結果を得た。また, Kについては, 調理前で93.8±10.5, 調理後で94.1±9.2%であった。1%塩酸抽出法は腎臓病食中の食塩およびKの定量に十分利用できることが判明した。

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