栄養学雑誌
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日本人摂取たん白質のアミノ酸組成とその栄養評価
摂取たん白質の栄養評価について (第1報)
岩谷 昌子
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1984 年 42 巻 5 号 p. 297-304

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抄録

日本人の摂取たん白質の栄養評価を検討する目的で, 国民栄養調査をもとに昭和48年から57年までの過去10年間のアミノ酸摂取量およびアミノ酸スコアを算出した。また, 食品群別のアミノ酸摂取量について, 昭和57年のみを検討した。
1) 昭和48年から57年までの全国平均1人1日当たりのアミノ酸摂取量は, 77.4~81.6gの範囲にあり, 各年次による差はわずかであった。また, 全アミノ酸中の全必須アミノ酸割合 (EA%) は, 42.5~42.7%で摂取たん白質の栄養価は概ね良好であった。
2) アミノ酸スコアは, この10年間98から100の間にあり, 日本人の食事たん白質は化学価からも極めて良好であることが裏づけられた。
3) 昭和57年のたん白質摂取量における動たん比は50.9%であったが, 食品群別アミノ酸摂取量からみると, 個々のアミノ酸レベルでは動物性食品よりも植物性食品からの摂取割合が高いアミノ酸があり, それらは穀類に由来する場合が多かった。

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