栄養学雑誌
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農村婦人の栄養摂取量と血液性状値の季節別変化 (第1報)
季節別栄養摂取量について
森 成子斎藤 憲吉岡 美子
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1986 年 44 巻 4 号 p. 179-190

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抄録

昭和56年4月から昭和57年3月までの1年間を春季 (6月), 夏季 (8月), 秋季 (11月), 冬季 (2月) の季節に分け, 各月の第2~3週の平日連続3日間, 岩手県胆沢郡金ヶ崎町下永沢地区に居住する婦人35名を対象に摂取栄養素量, 食品群別摂取量を調査し, 次の結果を得た。
1) 栄養素等摂取量の年間平均値を栄養所要量と比較すると, ほとんどの栄養素が90%以上の充足率を示したが, 動物性脂質および鉄は75~79%の充足状況であった。また, たん白質, 脂質, 糖質の各エネルギー比は, 13.3%, 19.5%, 67.2%であった。
2) 個人別季節別栄養素等摂取量の充足状況をみると, 50%以上不足している栄養素は夏季に多く, 鉄・ビタミンA・ビタミンB1で, 秋季は鉄, 冬季はたん白質であった。
3) 栄養素等摂取量の季節間比較では, 有意差のあった栄養素は, たん白質・鉄・ビタミンCで, たん白質とビタミンCは冬季に低く, 鉄は夏季と秋季に低値であった。
4) 季節別栄養素等摂取量の変動係数を女子大生と比較すると, 全体的に大きく, 小さい栄養素は, 夏季・秋季の鉄, 秋季・冬季のビタミンB2・ビタミンCであった。
5) 食品群の摂取状況は, 高居らの食糧構成例との比較で不足している食品群は, 油脂類 (33.3%), いも類 (67.3%), 緑黄色野菜類 (70.9%), 獣鳥肉類 (77.8%) であった。
6) 食品群摂取量の季節別の比較では, 春季は果実類・淡色野菜類, 夏季は緑黄色野菜類・卵類が少なく, 特に秋季に少ない食品群が多かった。
7) 季節別食品群摂取量の変動係数を女子大生と比較すると, 魚介類・味噌・その他の野菜類を除いた他の食品群で大きく, 特に夏季の大豆製品・緑黄色野菜類・果実類が大きく, 唯一の小さい食品群は藻類であった。

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