栄養学雑誌
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大学生の食生活に及ぼす欠食の影響について
白木 まさ子岩崎 奈穂美
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1986 年 44 巻 5 号 p. 257-265

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抄録

女子・自宅生125名, 女子・下宿生105名および男子・下宿生60名を対象に, 食物摂取状況調査と食習慣および健康状態を問う調査を行い, 対象別に欠食の有無が食生活や健康状態に及ぼす影響を観察した。
1) 所要量を満たしていない栄養素は, 女子はカルシウム (75~80%), 鉄 (60~70%) で, 男子はカルシウム (85%) である。この2つの栄養素の1,000kcal当たりの摂取量は, 女子のほうが男子よりも多い。
2) 欠食者 (3日間のうち1回以上欠食) の割合は, 朝食は女子・自宅生11%, 女子・下宿生27%, 男子・下宿生53%, 昼食は女子・自宅生8%, 女子・下宿生7%, 男子・下宿生12%, 夕食は2~5%であった。
3) 欠食による栄養素摂取量の低下は, 朝食で10~25%, 昼食で35%に及び, 中でも女子・下宿生は朝食を欠食した時の摂取量の低下が大きい。“3食あり”群は, 食事および間食を含めて, 質と量の面で食事の内容が充実している。
4) 欠食者の食習慣や欠食理由から, 欠食者の不規則な食事は日常的にみられることであり, 食事に対する関心が極めて乏しいことが指摘された。
5) 自覚症状の有無によって調査した健康状態と欠食の有無との間には, 有意の関係は見出せなかった。

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