栄養学雑誌
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中学生の健康状態と食生活との関連について
簡易アンケート調査による検討
門田 新一郎
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1987 年 45 巻 5 号 p. 209-222

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抄録

岡山市内の中学校1年生452名 (男子227名, 女子225名) を対象に, 産業疲労研究会の「自覚症状しらべ」, 健康状況, 食品の摂取頻度, および食生活意識からなる簡易アンケート調査を実施し, 健康状態と食生活との関連について検討した。調査は, 昭和59年9月に行った。
結果は, 以下のとおりである。
1) 自覚症状の訴え数の男女別の比較では, 男子が有意に多くなっていた。
2) 朝のめざめ, 排便, 食欲, 健康の自己評価からみた健康状況では, 男女ともに健康状況のよい者はあまり多くなかった。
3) 食品の摂取頻度, および摂取頻度から算出した栄養バランス得点には, 男女差はみられなかった。
4) 菓子類, 食事, 朝食の摂取状況からみた食生活意識では, 男女ともに意識の高くない者がかなりみられた。
5) 健康状況のよい者は, 栄養バランス得点が高くなっており, 男子で有意に関連する項目が多くなっていた。
6) 自覚症状の訴え数の少ない者は, 食生活意識が高く, 栄養バランス得点が高くなっており, 男子では有意の関連がみられた。
7) 自覚症状の訴え数の少ない者は, 清涼飲料水の摂取頻度が低く, 色の淡い野菜, 牛乳, 卵の摂取頻度が高くなっており, 男子では有意の関連がみられた。
8) 数量化理論第II類を用いて, 男子の自覚症状の訴え数と食品の摂取頻度との関連をみると, 訴え数が少ないと清涼飲料水の摂取頻度が低く, 牛乳, 果物, 卵の摂取頻度が高くなる傾向がみられた。

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