栄養学雑誌
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ラットの血清および肝臓脂質に及ぼす脂肪酸組成の異なるリン脂質投与の影響
黒田 圭一小畠 義樹西出 英一山口 迪夫
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1987 年 45 巻 6 号 p. 263-274

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抄録

高コレステロール飼料投与ラットに, 異なった生物起源の食品から抽出, 精製された脂肪酸組成の著しく異なる3種のリン脂質 (大豆, 卵黄, オキアミのリン脂質), およびそれらのリン脂質中の含量に相当するコリンまたはEPA+DHAを添加した飼料を投与した場合の, リン脂質と脂肪酸の血清脂質および肝臓脂質に及ぼす影響を検討した。
これらの3種のリン脂質はいずれもオリーブ油添加の対照群に比べ, 血清コレステロールの上昇抑制に強い効果を示したが, ω-3系多価不飽和脂肪酸を含むオキアミリン脂質は特に強い効果を示さなかった。オキアミリン脂質と等量のEPA+DHAを添加した群はオキアミリン脂質群と似た血清コレステロール値を示した。また, リン脂質投与に相当するコリンのみを添加しても血清コレステロール上昇抑制作用は示さなかった。3種のリン脂質投与ではいずれも対照群に比較して, HDL-コレステロールの上昇がみられたが, 特に卵黄リン脂質において高い血清HDL-コレステロール値を認めた。肝臓中のコレステロール濃度は3種のリン脂質のいずれの投与によっても対照群に比べ低下の傾向がみられたが, 特に卵黄リン脂質投与で明らかな低下が認められた。血清, 肝臓の総脂質の脂肪酸組成はいずれも投与リン脂質の脂肪酸組成を強く反映していた。

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