栄養学雑誌
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高齢者における食事満足度に及ぼす要因
足立 蓉子
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1988 年 46 巻 6 号 p. 273-287

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抄録

山口市宮野地区在住の65歳以上の男女367人を対象に, 食事の満足度とそれに影響を及ぼす要因について質問紙による個人面接法で調査を実施し, そのデータを数量化I類を用いて分析した。その結果は以下のようである。
1) 食事の満足度を世帯加構成別に比較すると, 独居世帯は食事満足度がその他の世帯に比べて最も低かった。
2) 食事満足度に影響する要因は, 第1に食事量が多いことで, 満足度を促進した。第2は世帯構成であり, 二世代および三世代世帯が満足度を促進した。第3は健康維持の留意点であり, 栄養, 運動, 休養ならびに規則正しい生活をするのに積極的であることが満足度を促進した。
3) 食事の満足度には 食生活そのものばかりでなく, 健康, 家族関係, 地域社会とのつながり, ならびに経済などの食生活を取りまく要因が相互に絡み合って影響を及ぼしているといえる。

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