栄養学雑誌
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小学校児童の食物嗜好と学校給食の関連性について
渡部 由美
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1989 年 47 巻 1 号 p. 31-40

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抄録

小学校児童2年生 175名, 6年生 190名を対象に, 学校給食の献立に出現した食品, 料理について嗜好調査を実施し, 児童の食物嗜好および摂食行動と学校給食の関連性を検討した。
1) 穀類, 獣鳥鯨肉類, 卵類, 乳類は嗜好度の平均値が高い食品が多く, 魚介類, 野菜類には低い値の食品が多かった。
2) 食品の嗜好度平均値は, 男子, 女子ともに2年生のほうが6年生よりも, また, 男子のほうが女子よりも高い値の食品が多かった。
3) 料理の嗜好度平均値は, その料理に使われている食品によるところが大きかった。
4) 食べることができないで残す児童が多い料理は, 魚類や豆類, 野菜類が主材料になっているものや, 酸味のあるものであった。
5) 各々の料理について, 2年生よりも6年生のほうが嗜好度平均値は低かったが, 食べることができる児童は多かった。学校給食の体験は, 食品や料理への受容態度の育成に役立つと思われた。

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