栄養学雑誌
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三重県答志島における主婦の食品摂取量からみた食生活構造
矢野 由起坂本 裕子舟橋 和夫口羽 章子
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1992 年 50 巻 1 号 p. 31-42

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抄録

三重県烏羽市答志島の主婦を対象に, 食品摂取状況を調査し, 次の結果を得た。
1) 食品群別摂取状況は, 国民栄養調査による昭和62年の全国平均値に比し, 穀類, 魚介類の摂取量が多く, 油脂類, 豆類, 肉類, 乳類, 緑黄色野菜, その他の野菜の摂取量が少なかった。
2) 砂糖類, 油脂類, 肉類, 卵類の摂取量は, 年齢が高くなるに従って低下した。
3) 食品群間では, 油脂類と肉, 卵, 乳類の間に正の相関が, 油脂類と魚介類の間に負の相関がみられた。
4) 食品群別摂取量を因子分析した結果, 第1因子は副食の畜産食品・水産食品に関する因子, 第2因子は野菜摂取に関する因子と考えられた。
5) 食品群別摂取量のクラスター分析により対象者を4つに類型化できた。伝統的食生活型9.5%,都市化進行型28.4%, 簡便型15.5%, 複合食型46.6%であった。
6) 伝統的食生活型には漁業従事者及び専業主婦が多く, 都市化進行型には20歳代主婦が多く, 簡便型には調理時間の短い人が多かった。

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