栄養学雑誌
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紅麹抽出物とγ-アミノ酪酸の高血圧自然発症ラットにおける血圧降下作用
辻 啓介市川 富夫田辺 伸和阿部 士朗樽井 庄一中川 靖枝
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1992 年 50 巻 5 号 p. 285-291

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抄録

紅麹の血圧降下作用を解明するために, 各種溶媒による抽出分画物の効果を調べた。エタノールで室温抽出後, 酢酸エチル, n-ブタノール, 水で分画を行い, それぞれの抽出物を紅麹に換算して0.3%になるように, 1%食塩含有飼料に添加し, 高血圧自然発症ラット (SHR) に15日間自由摂取させた。その結果, 降圧効果は水抽出物のみに認められたことから, 紅麹の有効成分は水, エタノールに可溶, n-ブタノール, 酢酸エチルに不溶性であることが明らかになった。一方, 紅麹に含まれる降圧物質の1つであるγ-アミノ酪酸をSHRに10日間与えた。飼料への添加量は, 水抽出物飼料中の含量とほぼ同じ0.1mg/100gと, その10倍量の1.0mg/100gとした。1.0mg/100gの摂取では水抽出物と同程度の血圧降下がみられ, 0.1mg/100gでも低下傾向が認められた。
以上のことから, 紅麹降圧物質の1つはGABAであり, その他にも水溶性の何らかの有効成分があることが示唆された。

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