栄養学雑誌
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女子短大生における脂質摂取と日常の生活行動特性との関連
広田 直子藤沢 悦子
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1993 年 51 巻 3 号 p. 159-170

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抄録

女子短大生88人を対象に, 食物摂取・生活活動状況調査並びに体格検査を実施して, 脂質摂取と日常の生活行動特性との関連について検討した。
1) 対象者のうち, 脂肪エネルギー比率が30%以上の者 (A群) は41.4%, 25~30%の者 (B群) が35.4%, 25%未満の者 (C群) が23.2%であった。
2) 3群のたん白質エネルギー比率には有意差はなく, 脂肪エネルギー比率の上昇に伴い, 糖質エネルギー比率は有意に低下した。
3) 身体状況と減量希望者の出現率には, 3群間の有意差はなく,“ダイエット”経験者の比率では, B群が他の2群より有意に低かった。
4) 摂取栄養素等充足率では, エネルギーと脂質の充足率が, C群で他の2群より有意に低かった。
5) 食品群別摂取量では, C群が他の2群よりも肉類, 牛乳・乳製品, 油脂類において有意に少なく, 魚介類では有意に多かった。穀類ではB群が他の2群より有意に多かった。
6) 脂質摂取の食品群別構成比では, A群がC群と比較し, 肉類, クリーム類, 調味料において有意に高率であり, 卵, 魚介類, 大豆・大豆製品, 穀類では有意に低率であった。
7) C群では, 朝食の品数がA群より有意に多かった。また, 洋風型朝食とパン食型朝食の出現率が他の2群より有意に低く, 洋風型昼食の出現率はA群より有意に低かった。
8) C群ではA群と比較し, 主菜材料としての肉類の出現率が有意に低く, 魚介類の出現率は有意に高かった。
9) エネルギー消費量とエネルギー消費量/エネルギー摂取量の値には, 3群間の有意差はみられなかったが, 生活活動における計画的運動の活動時間とエネルギー消費量は, C群では他の2群より有意に少なかった。

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