1993 年 51 巻 4 号 p. 207-214
りんご搾汁粕をAsp法に基づき, 水溶性食物繊維 (ASF) と不溶性食物繊維 (AIF) に分画し, このいずれかと精製とうもろこし外皮 (RCB) を食物繊維 (DF) 比1:2または2:1の割合で, 高 Chol 飼料〔コレステロール (Chol) 1%, コール酸ナトリウム0.25%を含む〕に添加して, ラットに投与し, Chol 代謝に及ぼす影響について検討した。
1) AIF群とAIFとRCBの併用添加群は, 血清及び肝臓 Chol 値の上昇抑制作用を示さなかった。
2) ASF群, RCB群及びASFとRCBの併用添加群は, 9日目の血清 Chol 値の上昇を有意に抑制した。ASFとRCBの併用添加群 (DF含量2:1) の上昇抑制効果はそれぞれを単独添加した群より強い傾向を示した。
3) ASF群, RCB群及びASFとRCBの併用添加群は, 肝臓 Chol の蓄積及び Chol 吸収において, 有意に低い値を示し, その効果は同程度であった。
以上の結果から, これらの Chol 上昇抑制作用のメカニズムの1つとして, 吸収阻害を推定したが, 他のメカニズムも関与していると考えられる。