栄養学雑誌
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男女学生のライフスタイルと健康との関連
大河原 悦子小泉 直子藤本 晴美菅 陽子田中 久美子浦畑 育生香月 文子
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キーワード: 食生活, 生活活動, 健康
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1994 年 52 巻 4 号 p. 173-189

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抄録

男子大学生200人, 女子大学生444人を対象にアンケート調査を実施し, 男女学生のライフスタイルと健康度との関連を検討した。
1) 学生の約80%は“肉・魚・卵”,“油を使った料理”を毎日摂取していたが,“牛乳”,“乳製品”,“野菜”,“大豆製品”,“果物”を毎日摂取していた学生は50%以下であった。食事の食物摂取状況は“悪い”と判定した。主食は“米飯”が最も多く,“めん”,“パン”の順に摂取していた。女子は男子より“パン”を好んでいた。朝食では欠食, 孤食がみられ, 特に男子は26%も欠食していた。昼食では男女とも半数以上が外食し, 孤食も30%近くあった。夕食では70~80%の学生が家庭で食事を摂っていた。
2) 生活活動指数は, 男子0.41, 女子0.45であった。余暇時間の活用が不十分なため, 休養不足を訴える学生が多かった。日常生活ではアルバイト実施者は50%を超え, 運動の実施者より多かった。
3) 男女学生の健康度は, 身体的健康度, 精神的健康度, 社会的健康度のすべては平均的水準の範囲内にあったが, 社会的健康度は社会奉仕活動値が低く, バランスが悪かった。総合的健康度は“少し悪い”と判定した。多くの学生は, 運動・栄養・休養に対して不足感をもっていたが, 実践意欲に乏しかった。3要素に対して不足を多く感じている学生ほど健康度は低かった。また, 栄養バランス評価の低い学生, 欠食や孤食の多い学生ほど健康度は低かった。運動, アルバイト, 実験・実習と健康度との関連では, 運動が最も健康度を高めた。

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© 特定非営利活動法人日本栄養改善学会
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