栄養学雑誌
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給食管理下にある女子学生の食事の食物繊維含量
日本食品食物繊維成分表による計算値及び Prosky 変法による定量値との比較
高橋 リエ諸橋 彰子森 文平
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1995 年 53 巻 4 号 p. 273-280

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抄録

日常食の食物繊維含量を知る目的で, 本学の給食管理下にある女子学生の食事, 1日3食, 連続14日間の計42食について「日本食品食物繊維成分表」を用いてDF量を計算した。
この計算値と, すでに同食事を Prosky 変法で定量し本誌に報告した値との比較を行った。結果は次のとおりであった。
1) 42食の1食当たりのTDF量の計算値は, 2.2~12.9gの間にあり, かなりのばらつきが認められた。実測値に対しての相関関係はr=0.862 (p<0.05) であった。
2) 1日当たりのTDF量の計算値は, 13.9~26.0gの間にあり, 実測値に対しての相関関係はr=0.805 (p<0.05) であった。
3) 14日間の平均1日当たりのTDF量計算値は20.6gで, 実測値の86%であった。
4) 1日当たりのIDFとSDF量の比率は, 実測値と計算値がほぼ同率で, 平均としてIDF 82~83%, SDF 17~18%であった。
5) 献立によって, 実測値と計算値との関係には特に顕著な特徴は認められなかった。
6) 成分表を使用した総食品数の約20%が類似食品の利用による類推した値で, そのTDF量は1日量の平均値で, およそ10%に相当した。
7) 食事の計算によるTDF量は, 実測値に比較して約20%程度低い値を示すと考えられる。

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