栄養学雑誌
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食生活及び生活習慣に及ぼす飲酒量の影響
斎藤 トシ子工藤 啓菊池 厚子佐野 裕美加藤 邦夫
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キーワード: 飲酒, 食生活, 生活習慣
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1995 年 53 巻 5 号 p. 327-334

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抄録

仙台市健康増進センターの健康度測定を受診した30~59歳の治療を受けていない男性512人を対象として, 飲酒者の食習慣及び生活状況と医学的検査との関連を検討した。
1) 飲酒者の割合は, 約93%であった。飲酒頻度においては, 週5回以上飲む者の割合が55%であった。1日当たりの飲酒量については,“0.1~2.9点以下”(239kcal以下) の者は38%,“3.0~5.9点”の者は33%,“6点以上”(480kcal以上) の者は21%であった。
2) 収縮期及び拡張期血圧は, 3点以上を飲酒する群は, それ以下の群より有意に高かった。
3) 血液生化学的検査値は, 3点以上を飲酒する群はそれ以下の群より, TG, γ-GTP, 空腹時血糖で異常値を示す者の割合が有意に高かった。GOT, GPT, 血糖2時間値, 尿酸も有意ではないが同様の傾向であった。しかしながら, HDL-Cholで異常値を示した者の割合は, 飲酒群は非飲酒群よりも有意に低かった。
4) 食品摂取量においては, 飲酒量が増えるにつれ, 魚肉類, 油脂類充足率は高くなるが, 乳類, 野菜類, 果物類, 穀類充足率は低かった。
5) エネルギーの栄養比率では, 飲酒量が増えるにつれ, たんぱく質及び脂質エネルギー比が高く, 糖質エネルギー比は低かった。
6) 栄養素摂取量では, 飲酒量が増えるにつれ, 食塩摂取量は増えるが, 食物繊維, 砂糖, カルシウムは少なかった。
7) 飲酒量が増加するにつれ, 喫煙者の割合及び喫煙量は増加した。
以上の結果から, 疾病の第一次予防対策として適正飲酒を進める場合は, 食事指導, 禁煙指導, 更に運動指導なども一緒に考慮していく必要があると思われた。

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