栄養学雑誌
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β1-4系ガラクトオリゴ糖の摂取が便秘傾向の健常人の便通及び便性改善に及ぼす影響
出口 ヨリ子松本 圭介伊藤 彰敏綿貫 雅章
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1997 年 55 巻 1 号 p. 13-22

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抄録

β1-4系ガラクトオリゴ糖 (4'-GOS) を主成分とする飲料 (4'-GOSとして2.5g, 5.0g, 10.0g/日) を, 日頃便秘気味と自覚している女性78人 (試験1) と男女50人 (男性9人, 女性41人;試験2) を対象として1週間飲用させ, 排便についてアンケートにより調査し, 4'-GOS飲用期と非飲用期のアンケート結果について比較した。
1) 4'-GOS 5.0gあるいは10.0gを含有した飲料の飲用により, 排便回数は対照飲用期に比べて有意に増加した (p<0.05)。排便日数は4'-GOS5.0gでは低排便回数者において (p< 0.01), 4'-GOS 10.0gでは全対象者 (おいて (p< 0.05) 有意な増加が認められた。
2) 便性状については, 4'-GOS 5.0gあるいは10.0g飲用によりコロコロ・カチカチ状便が減少して, 有意に軟らかくなることを認めた (累積x2検定, p< 0.05)。
3) 腹部膨満感, おなかが鳴るなどの腹部症状は, 4'-GOS 10.0g飲用により有意に増加した (p<0.05)。
以上のことより, 4'-GOS飲用は便通と便性改善に有効であることが認められた。

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