栄養学雑誌
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食品の組み合わせが健常な大学生の食後血糖値に及ぼす影響
久野(永田) 一恵原口 美和
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1997 年 55 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

ご飯と食パン摂食後の血糖上昇に及ぼす他の食品の影響を調べる目的で実験を行った。
50gの糖質を含む量のご飯あるいは食パンを, それだけあるいは80kcal分の他の食品と一緒に食べさせ, 食後の血糖の変化を調べた。
ご飯と食パンでは, 食後30分に血糖値のピークがみられた。鶏卵や牛乳を一緒に食べても血糖値に有意な差はなかったが, 大豆を食パンと食べた時に15分後の血糖値が有意 (p<0.05) に高くなった。おからをご飯と食べた時は120分値が, パンと食べた時は90分値が高くなった。ひじきでは, ご飯と食べると, 食後15分の血糖値と30分後の血糖値が低くなった。しかし, ひじきとパンでは, パンのみの時の血糖値と差はなかった。50gの糖質を摂取した時の血糖上昇面積を100%として示したグリセミックインデックスは, ご飯あるいは食パンのみと, 他の食品を同時に摂食した時とでは差がなかった。
以上の結果から, 食後の血糖上昇への影響は, 食品の組み合わせによって異なることが示された。

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