栄養学雑誌
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正常ラットとマウスの血糖値及び血清・肝臓脂質に対する精製とうもろこし食物繊維の影響
池上 幸江大澤 佐江子町田 聖子羽田 明子
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1997 年 55 巻 3 号 p. 111-118

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抄録

とうもろこし外皮から精製された水溶性食物繊維 (SCDF) と不溶性食物繊維 (ICDF) を含む飼料 (SCDFでは5%, ICDFでは10%) を4週齢の雄Sprague Dawley系ラットと, 4週齢の雄ICR系マウスに投与し, グルコース負荷後の血糖値, 及び血清と肝臓脂質に対する影響について検討した。
1) ラットではグルコース負荷45分後の血糖値は, SCDF群はコントロール群より有意に低下したが, ICDF群では低下傾向はみられたものの, 有意ではなかった。
2) ラットでは肝臓の脂質成分には影響はなかったが, 血清のトリグリセリド, リン脂質, コレステロールはSCDF群においてコントロール群より有意に低下した。
3) マウスにおいてはSCDF群の空腹血糖値はコントロール群より有意に高かったが, グルコース負荷45分後の血糖値は有意に低かった。
4) マウスでは血清脂質への影響はみられなかったが, 肝臓の総脂質, トリグリセリド, 総コレステロールはSCDF群ではコントロール群に対し有意に低下した。

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