55 巻 (1997) 6 号 p. 305-313
本研究は, 平成7年11月に実施された静岡県県民健康基礎調査とともに実施した。研究対象は, 基礎調査における栄養調査参加者より無作為に抽出した20~59歳の男性99人, 女性162人である。本研究の目的は, 血清25-hydroxyvitamin Dと1, 25-dihydroxyvitamin Dの分布とれべる, 及び食事からの栄養素等摂取状況と血清中のびたみんDの状況との関連を検討することである。結果を以下に要約する。
1) 男性の血清25 (OH) Dれべるは, 女性に比べ高値を示した。男性の25 (OH) Dの平均値は, 20歳代では女性より約50%高く, 30~50歳代では20-30%高かった。
2) 血清25 (OH) Dを従属変数とし, 性, 年齢, body mass index, 栄養素等摂取量及び屋外運動状況を独立変数として重回帰分析を行った。25 (OH) Dは男性で高く, また加齢や食事からのびたみんD摂取量と正の関連を示した。
3) 食事中のびたみんDの約2/3は魚介類から摂取されており, 日本においては, 魚介類が食事からの主要なびたみんD供給源であった。
4) 血清25 (OH) Dが欠乏 (<10ng/ml) していた者はいなかったが, 男性の2.0%, 女性の6.2%が低値 (<15ng/ml) を示した。低値群の食事からのびたみんD摂取量は, 標準群に比べ有意に少なかった。すなわち, 低値群では118 IU/日, 標準群では334 IU/日であった。また, 超音波による踵骨の測定において, 低値群 (n=8) の伝導速度 (SOS) の平均値は, 標準群 (n=52) に比べやや低値を示し, それぞれ1, 548.4, 1, 557.1m/秒であったが, 統計学的には有意ではなかった。
本研究は, 静岡県による「静岡県における健康実態基礎調査研究」委託費, 及び浜松医科大学教育研究特別経費 (特別分) の助成を受けて実施した。平成7年静岡県県民健康基礎調査の実施主体である静岡県保健衛生部 (現健康福祉部), 静岡県各保健所, 「正しい食習慣推進検討会」, 及び上記栄養調査にご協力いただいた元浜松医科大学衛生学の萩原見早子管理栄養士に感謝いたします。