栄養学雑誌
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女子学生・生徒の肥満度と食生活・健康状態及び体型意識との関係
宮城 重二
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1998 年 56 巻 1 号 p. 33-45

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抄録

首都圏における高校, 専門学校, 短期大学, 大学の女子1,014人について, その肥満度の実態を明らかにし, また, 肥満度と食生活, 健康状態, 体型意識との関係を検討した。更に, 肥満度や健康状態に影響を与える因子についても検討を加えた。その結果は次のとおりであった。
1) BMIの平均値は全体で20.4であった。やせ群 (BMI<18) は全体の10.1%, 肥満群 (BMI≧24) は全体の5.6%であった。中間の普通群 (18≦BMI<24) は84.3%であった。
2) 朝食を“毎日食べる”者の割合は, 普通群に比べてやせ群では高く (p<0.05), 肥満群では低かった(p<0.01)。食事を“満腹するまで食べる”者の割合は, 普通群に比べてやせ群では低かった (p<0.05)。間食を“よく飲食する”者の割合は, 普通群に比べてやせ群では高かった (p<0.05)。清涼飲料水を“毎日飲む”者の割合は, 普通群に比べてやせ群では高かった (p<0.01)。“元気である”という主観的健康の割合は, 普通群に比べてやせ群でも肥満群でも低かった (p<0.05)。
3) 現在の体型を過大評価している者が多く, しかも, 今後の体型意識も強いやせ志向がみられた。体型誤認や過激なダイエットによって健康障害に陥りやすいと考えられる者の推定値は, BMIが18未満のやせ群で約10~20%, 若年女子全体では約1~2%であった。
4) 肥満度に影響を与える因子としては, 清涼飲料水が有意な関連を示し, 朝食, 食事量, 間食, 運動には関連が認められなかった。主観的健康に影響を与える因子としては, 朝食, 運動が有意な関連を示し, 肥満度, 食事量, 間食, 清涼飲料水には関連が認められなかった。

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