診療所の外来において, 糖尿病のよいコントロール状態を長期にわたり継続できるように, 糖尿病患者129例を対象に, 2段階方式による患者教育を実施し, その効果を検討した。
まず, 対象全員に基礎コースとして糖尿病教室を実施した。次に, 一定期間経過してから, 肥満や合併症など問題がある患者を選択して, インスリン療法の患者群, 肥満の患者群, 糖尿病性腎症の患者群と, 問題点別に応用コースとして糖尿病教室を実施した。その患者教育の内容を明らかにし王栄養指導の治療効果をヘモグロビンA1C (HbA1C) を指標として検討した。結果は次のとおりであった。
1) 基礎コースにおいての治療効果を検討すると, 対象者の6か月後・1年後・1年半後・2年後・2年半後・3年後のそれぞれのHbA1Cは, 指導前のHbA1Cと比べて有意に低下していた。
2) 応用コース受講者は26例で, インスリン療法患者群6例, 肥満患者群8例, 糖尿病性腎症患者群12例であった。基礎コースの患者教育を終了1年後, 平均11か月で応用コースの患者教育が開始となった。治療効果は, 応用コースを受けた患者のHbA1Cの値は, 基礎コースを受けたのみの患者に比べて患者教育開始時から2年後までは高かったが, 3年後では基礎コースを受けたのみの患者より低下していた。
以上のことから, (1)患者教育を, 糖尿病と診断された初期と患者教育終了約1年後, 平均11か月の2段階の時期に実施したこと, (2)教育内容も, 糖尿病の基礎コースを実施した後に患者の問題点別に応用コースとして2段階方式で行うというシステムは, 糖尿病のよいコントロール状態を長期にわたり継続させるためには有効であることが明らかになった。