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映像学
Vol. 97 (2017) p. 65-86

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http://doi.org/10.18917/eizogaku.97.0_65

論文

【要旨】
函館イルミネイションやあきた十文字、青森、湯布院といった地域の名前がついた映画上映イベントを「地域の映画祭」と呼ぶとすれば、それらはカンヌやベルリンといった国際映画祭とは異なり、プレミア上映を行う場でも映画作家を見出す場でもなく、(その地域で上映されることのなかった)商業映画を上映するだけに留まるが、地域の住民が企画・運営を担っていることに特徴がある。「地域の映画祭」は1970年代半ばに誕生し、全国に拡がり、1980年代に入って地方公共団体の支援が始まるとその数は増加し、2007年には100以上の映画祭が確認された。こうした映画祭はいかに誕生し、どのような特徴を持っているのか。また、国際映画祭との違いは何か。本稿では日本で最も古い映画祭であり、「町おこし」や「地方の映画祭」のモデルとされた湯布院映画祭を取り上げ、その誕生に至る経緯と背景を探る。その上で映画祭という新しい映画受容の〈場〉を公共空間として捉え、ハーバーマスやアーレントの研究を参照しながら、日活ロマンポルノが上映されたこと、外国映画の上映やゲストの招待をめぐって内部で大きな対立に発展したことを手掛かりとして、その〈場〉の特徴を探っていく。

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