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E-journal GEO
Vol. 12 (2017) No. 1 p. 40-58

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http://doi.org/10.4157/ejgeo.12.40

調査報告

本稿では現代のアフリカ農村において,移住を仲介する保証人という存在に着目し,人びとが移住して生活基盤を確立していく過程を明らかにする.ザンビア北西部州ムフンブウェ県にはカオンデという民族が居住するが,ルンダ,ルバレ,チョークウェ,ルチャジという異なる民族の移入者を受け入れたことで,複数の民族が混住する.移入者の移住形態は農村を転々とした「農村→農村型」,都市で働いたのちに農村へ移住した「都市経由型」,都市生まれで農村へ移った「都市→農村型」の三つに分けられた.カオンデ以外の移入者は,親族間のもめごとや親族からの都市生活に対する妬みを避けるため,カオンデ農村へ移住した.彼らは親族ではなく,ルンダ語でチンサフという保証人を頼っている.移入者が信頼を寄せる人物であれば,だれもが保証人になりうる.アフリカ農村では人間関係を礎とした保証人によって,人びとの移住と平穏な暮らしが実現されている.

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