E-journal GEO
Online ISSN : 1880-8107
ISSN-L : 1880-8107
調査報告
熊谷地方気象台周辺域における地上気温の空間的なばらつきの評価
中村 祐輔重田 祥範渡来 靖
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 14 巻 1 号 p. 213-222

詳細
抄録

地上気温観測において,その観測値は周辺環境に大きく影響される.観測点周辺の土地利用は一般的に不均一であるために,その影響を受けた気温のばらつきを評価することは観測値の空間代表性を理解する上できわめて重要である.そこで本研究では,一つの気温観測所周辺域で発生する気温のばらつきを評価することを目的に地上気温の多地点観測を行なった.観測は,熊谷地方気象台の周辺域において2014年3月1日から2015年2月28日にかけて実施された.観測の結果,観測領域内の気温のばらつきは年平均で1°C程度であることが示された.さらに,熊谷地方気象台が位置する地点の気温は,観測領域内において恒常的に高い傾向を示した(平均+0.4°C).そして,領域内における気温のばらつきの要因としては都市が影響していることが示唆された.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top