2012 年 7 巻 1 号 p. 35-42
地理学習では,少なくとも学習指導要領のレベルにおいては野外での地域調査が一貫して重視されてきた.しかし,小学校では地域調査の内容の形骸化が進み,また中・高校では地域調査は準備や実施に時間を要するために,実際には地域調査を行う教員の割合は低くなっている.地域調査の実施率を上げるためには,教室での学習では得られない地域調査の教育的意義を明確化するほか,地域調査の内容や方法を学ぶことのできる教員養成カリキュラムの整備や,地理学習の他の学習内容との関係を深める内容面での工夫などが必要である.