半導体デバイスの実装密度向上のため三次元実装構造の開発が活発化している。しかし,このような実装構造では薄型チップ積層等の要因から,バンプ接続部の信頼性低下が懸念される。チップ薄型化に伴い,各部材の線膨張係数差に起因した局所熱変形がチップ表面において数10 nm以上に達することを解析的及び実験的に解明し,表面変位計測のバンプ接続部非破壊評価への適用可能性については既に報告した。そこで,フリップチップ実装構造組立て工程における接続不良検出を目的として,バンプ欠落及びはく離が混入したサンプルを試作し,白色干渉顕微鏡により表面変位分布を計測することにより不良検出の実現性を検討した。その結果,バンプ欠落,はく離にそれぞれ対応した数10 nmから数100 nmの表面変位変化が現れることを実証し,実装工程中にチップ表面変位を計測することでバンプ接続不良の非破壊検査が可能であることを示した概要につき報告する。