抄録
プロトンビーム描画(以下PBW)とは、集束陽子線を直接描画するリソグラフィー技術の一つである。高エネルギー陽子線は物質内での直進性と侵入深さに特徴があり、低ラフネス、超深度加工などのメリットがある。PDMS(Polydimethylsiloxane)は、無色透明で生体適合性が高いため、マイクロ流路やバイオデバイスに広く使われている。膜厚13μmのPDMSはPBWに対してネガ型レジストとしての挙動を示した。また、照射量とともにパターン残存膜も増加するというアナログレジストの挙動も見られた。マイクロレンズを模擬して、直径15~40μm、高さが13μmの曲面を作製することができた。